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大阪大学大学院基礎工学研究科 附属スピントロニクス学術連携研究教育センター

  

研究テーマTHEME


ゲルマニウムスピントロニクス

ゲルマニウム(Ge)は、電子・正孔の移動度がそれぞれシリコン(Si)の 2 倍・4 倍であり、Siに代わる次世代の半導体材料として期待されています。世界最先端の半導体研究では、既にGe CMOSと呼ばれる半導体デバイスのコア技術や、Geを用いたSiフォトニクス技術も開発され始めています。このGe中に電子のスピン自由度を電気的に注入し、不揮発メモリ機能を付加しようという半導体スピントロニクスデバイス研究が世界中で展開されています。

 

当研究室では、 ホイスラー合金という高性能スピントロニクス材料をGe上に作製する世界最高峰の技術[J. Phys. D: Appl. Phys. 51, 393001 (2018).]と独自の不純物ドーピング技術を併用した手法で、世界で初めて室温スピン伝導を実証しました[Appl. Phys. Express 10 , 093001 (2017).]。ごく最近、高性能スピントロニクス材料とGeの界面を原子層レベルで制御して接合することで、世界最高性能の半導体スピントロニクス素子を実証しました[NPG Asia Mater. 12, 47 (2020).]。


また、当研究室独自の技術を用いて、二つの磁石と半導体を縦方向に積層させた縦型のスピンMOSFETに関する研究も行っています[Phys. Rev. Mater. 1, 034604 (2017), Appl. Phys. Express 13, 023001 (2020).]。これは集積化と、不揮発メモリ機能実現に有利な短チャネル化を同時に実現できる可能性があり、次世代のスピントロニクス素子として期待されています。


ホイスラーエレクトロニクス


ホイスラー合金はX2YZ(X,Y:遷移金属, Z:非磁性元素)などの化学式で表される規則合金であり、スピントロニクス材料、熱電材料、トポロジカル材料など、様々な機能性を発現する材料が数多く存在します。当研究室では、規則化したホイスラー合金薄膜を低温で合成するための条件探索[ACS Appl. Electron. Mater. 1, 2371 (2019).]、 強磁性ホイスラー合金薄膜と強誘電体を積層した界面マルチフェロイク材料の作製と磁気物性の電界制御、スピンギャップレス半導体やトポロジカル半金属の一種であるワイル半金属などの新規ギャップレス電子材料の薄膜合成と物性探索[Phys. Rev. B 97, 054427 (2018)., Phys. Rev. Mater. 2, 124403 (2018)., Phys. Rev. B 100, 195137 (2019).]、低環境負荷熱電材料の薄膜合成と熱電物性探索などの研究[Appl. Phys. Express 10, 115802 (2017)., Phys. Rev. B 102, 054203 (2020). ]を行っています。